06 — FACTORY JOURNAL
棚の奥を整理。
工房の奥を片づけていたら、ずいぶん前に預かったままの封筒が出てきました。
工房の作業を終えたあと、道具を戻しながら奥の棚も整理することにしました。普段よく使うものは手前へ、しばらく使っていないものは中身を確認後片付けます。
棚板には細かな木の粉が積もり、箱を動かすたびに薄い跡が残りました。刷毛で隅の埃を払い、古いラベルを剥がしながら、一段ずつ空にしていきます。
奥から出てきたのは、以前使っていた伝票の束や、余った金具、それから、工房のものではない古い封筒でした。見覚えはありました。ずいぶん前に、友人から預かったものです。
その友人は、封筒を差し出しながら「しばらく預かっていてほしい」とだけ言いました。時が来たら自分で取りに来る、とも。詳しい理由は聞きませんでした。長く置いておくものではないと思い、預かった日と場所だけをメモして棚の奥へしまったのを覚えています。
けれど、それからずいぶん時間が経ちました。友人が取りに来たことはなく、この封筒について連絡があった記憶もありません。封は、預かったときのまま閉じています。中に何が入っているのか、今も知りません。

処分するわけにも、勝手に開けるわけにもいきません。結局、埃だけを払い、当時のメモと一緒に新しい整理箱へ移しました。見つけた場所も、念のためもう一度記録しておきます。
片づけとしては、これで完了です。封筒もひとまず元の棚へ戻しました。いつか本当に取りに来るのか、それとも預けた本人も忘れているのか。棚を閉じたあと、少しだけ気になりました。
COMMENT